SharePoint Onlineへのファイルサーバー移行で学んだこと

ファイルサーバーからSharePoint Onlineへ──移行で見えた課題と解決策

こんにちは、インフラグループの田中です。
今回は、NASストレージによる社内ファイルサーバーを SharePoint Online に移行した際の経験を備忘録としてまとめます。

背景と目的

オンプレミスのファイルサーバーをSharePoint Onlineへ移行する案件を担当しました。
ただし、容量が非常に大きいため、数日かけて移行する必要があります。
「移行日には最新状態を反映したい」──つまり、**差分移行**が可能な方法を探しました。

試した方法と課題

まず調べたのは SharePoint移行ツール(SPMT)
ファイル移行は可能ですが、完全同期はできず、増分移行のみ対応。そこで別の方法も検討しました。
次に試したのが OneDrive同期。
エクスプローラ上でSharePointフォルダを表示し、ドラッグ&ドロップで操作できる便利な機能です。また、ファイルサーバー移行で標準なrobocopyコマンドが使えることも魅力でした。
しかし、ファイル数が増えると処理が極端に重くなり、同期が不安定に…。
仕様上、30万ファイルを超えると不安定になることが判明し、この方法は断念しました。

最終的な選択:SPMT

結局、SPMTで移行することにしました。
手順は以下の通りです。

  1. 移行用PCにグローバル管理者権限を持つアカウントでログイン
  2. SPMTをインストール
  3. CSVで複数フォルダを指定
    例:
    “\サーバー名\フォルダ名\サブフォルダ名1″,,,”SharePointオンラインURL”,ドキュメント,”フォルダ名/サブフォルダ名1″
    “\サーバー名\フォルダ名\サブフォルダ名2″,,,”SharePointオンラインURL”,ドキュメント,”フォルダ名/サブフォルダ名2″

  4. ジョブを実行 → エラーレポート(FailureSummaryReport.csv)で確認・対応
    ※SharePointManagementTool(SPMT)はMicrosoftから無償で提供されているツールで、オンプレミスのファイルサーバーやSharePointサーバーからSharePointオンラインへデータを移行できるツールです。

SPMTはこちらからダウンロードできます。
Microsoft SharePoint Migration Tool

結果

社内ファイルサーバー停止するスケジュールの期限までに、移行完了することに成功しました。
期限がある中での作業でしたので、OneDrive同期にこだわっていたら、間に合わなかったと思います。
限られた時間の中で取捨選択が大事だと感じました。

苦労したポイント

移行自体は完了しましたが、トラブル対応に時間を要しました。

  • ファイル名に記号や絵文字
    → コピー不可。ファイル名を修正
    例:Xxxx㉕xx🌸.xlsx → Xxxxxx.xlsx

  • 文字化けファイル名
    → 特殊コード使用。ファイル名変更、必要なら圧縮
    例:嬦習ノート.pdf → ●●.zip

  • 原因不明の大量エラー
    → マイクロソフトに問い合わせても明確な回答なし。試行錯誤で以下が有効:
    • 移行前に移行用PC再起動
    • フォルダ階層を細分化(理由不明だがエラー減)
      「\サーバー名\フォルダ名\」で移行 ←エラー多数
      「\\サーバー名\フォルダ名\サブフォルダ1」で移行 ←エラー減少
      「\\サーバー名\フォルダ名\サブフォルダ2」で移行 ←エラー減少

まとめ

SPMTを利用してファイルサーバーをSharePointへ移行される方は、以下の点に注意されると良いかもしれません。

  • ユーザーにファイル名の修正を依頼(記号・絵文字・特殊文字はNG)
  • 不要なバックアップや重複ファイルを事前に整理
  • 必要なデータのみ移行する計画を立てる
  • 本ツールは「差分」移行ではなく「増分」移行です。
    そのため、以下の点に注意してください:
    • 移行元で削除したファイルは、移行先では残ったままになります。
    • 移行元で移動したファイルは、移行先では「移動前」のフォルダに残り、さらに「移動後」のフォルダに同じファイルがコピーされます。
    • この仕様により、フルバックアップを取得してから増分コピーを続ける期間が長い場合、同名ファイルが多数発生し、どのファイルが最新なのか分からなくなる恐れがあります。

事前準備をしっかり行えば、移行作業の負担を大幅に減らせます。
今回の経験が、同様のプロジェクトに取り組む方の参考になれば幸いです。