通信量の逼迫…ローカルブレイクアウトで解消!

こんにちは、サザビーリーグIRIS インフラグループの人見です。

今回は、当社が数年前にGoogle WorkspaceからMicrosoft 365(以下M365)へ移行した際、通信量が逼迫してしまい、インターネットに繋がりにくく仕事ができない!!
という事象が発生した際の対処策についてご紹介します。

目次

  • どのような現象が発生したのか
  • どのように対応したのか
  • 現在の状況

①どのような事象が発生したのか

M365に切り替えてからなぜか、土日明けの午前中、特に3連休明けの通信量が増大していました。恐らく、OneDriveの同期などが影響していると思われますが、明確な原因は分からない状況でした。通信量が増大したことで、休日明けの午前中は通信速度が1Mbpsも出ておらず、インターネットにも繋がらないため、仕事もままならない状態でした。

下の図は、 Google WorkspaceからM365へ移行した後の簡易的な構成図と、
休日明けの午前中の通信量をグラフにしたものです。

グラフの通り、インターネットデータセンター拠点が500Mbpsを使い切るタイミングで、本社拠点も300Mbpsを使い切っていることから、本社の通信量が会社全体のインターネットアクセスに影響を与えていたことが分かります。

②どのように対応したのか

本事象が発生したタイミングは、グループウェアをM365に切り替えた際に発生したこともあり、本社拠点の通信が会社全体の通信に影響を与えたことが明確でした。
そのため、当社では本社に新たな回線を敷設し、本社拠点からM365への通信をブレイクアウトさせる手法を取りました。

以下がローカルブレイクアウト対応前後の当社のネットワーク構成図です。

(変更前)
(変更後)

変更した箇所として、本社のスイッチと並列にブレイクアウト用のルータを設置しました。クライアントからの通信は全て新ルータで受け、M365への通信は新規回線へ、それ以外の通信はスイッチへ戻すという手法を取りました。
ルータ側にブレイクアウトができる機能が必要となりますが、既存のネットワーク構成を大きく変更することなく、ブレイクアウトを実現できる仕様になっています。
当社の場合、DHCPサーバーでクライアントにIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを配布していますが、クライアントのデフォルトゲートウェイをスイッチから新ルータに切り替えるだけでいいため、システム部門から試験的に展開することができました。

③現在の状況

ローカルブレイクアウトを導入してから約1年が経ちました。休日明けの通信量の逼迫は解消しました。しかしながら、インターネットへの業務量が日々増えていくことが原因なのか、通信量は現在も増加傾向にあります。今後も社内エンジニアは、社内のインターネット通信ボリュームは注視していく必要があるかもしれません。以下がローカルブレイクアウト前後の通信量の比較です。

ローカルブレイクアウト前に比べるとかなり通信量が減っているのが分かります。
これにより、本社からの通信量が減少したため、データセンターで確保している帯域(500Mbps)にかなり余裕が生まれました。
また、課題であったインターネットの接続問題もスムーズになり事象が解消されました。

おわりに

私は最近入社したため、本事象について記事を書くまで社内でこんなに大きい出来事があったことを知りませんでした…私自身Techブログを書くことは、会社の過去事例を学ぶいい機会になっています。

現在、 Google WorkspaceからMicrosoft 365をご検討されている方、閉域網からインターネットの通信量が増加し、回線速度の増強をしても改善しない!という方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考ください。

今後も過去事例を中心にナレッジの共有、たまに社内情報などをお届けできらたらと思っています。

自己紹介:
2024年11月入社。インフラチームに所属しTechブログの作成などをしています。